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実地棚卸とは【実地棚卸の目的と流れ】

実地棚卸は、決算期末の棚卸資産の残高を確認するために、実際に現物を点検・計量する手続です。

 

商品の品種、性能、保管状況を調査し、商品管理の維持向上を図るとともに実地棚卸高と帳簿棚卸高とを照合して、資産の保全と財務諸表における資産の表示の適正化を図ることを目的として実施します。

 

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【目次】実地棚卸の実務解説

 

1.実地棚卸の手順

 

2.実地棚卸の準備事項

 

3.棚卸当日の実施事項

 

4.集計/整理の実施事項

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棚卸実施方法の例
 (1) 棚卸の手順

1)棚卸の準備

ァ.倉庫見取図の作成、棚卸しのタイムスケジュール、棚卸担当者の組合せ等の事前準備

イ.商品および倉庫の整理整頓

ウ.棚卸票の確認

エ.商品受払台帳の整備

オ.売上および仕入れの締切

2)棚卸の実施

ァ.緊急入出庫の除外

イ.棚卸の実施

3)棚卸票の集計/整理

ァ.棚卸票の回収

イ.商品受払い台帳への記載

 

 (2) 棚卸の準備

1)準備
倉庫見取図、棚卸しのタイムスケジュール、棚卸担当者の組合せ等の準備をしておくこと。

 

2)商品および倉庫の整理整頓
① 実在庫商品

ァ.同一品種・同一品名のものは、できる限り同一場所にまとめて整理すること。

ィ.必要に応じて商品の品名、価格等を記載した紙を商品に添付しておくこと。

ゥ.不良品はできるだけ整理しておくこと。

〔注〕修理または仕入先への返品・交換等を極力行うこと。

ェ.倉庫内および店舗の見取図、商品配置図を作成しておくこと。

② 預け商品(社外在庫)

ァ.原則として戻入れをする。

ィ.先方より預り証を取り付けること。(デモ・貸出し等)

③ 預り商品

ァ.原則として先方へ返品すること。

ィ.見本品、委託品は仕入先へ返品しておくこと。

ゥ.得意先からの修理品は、修理を完了したものは返却しておくこと。預かり品も得意先へ返却しておくこと。

ェ.処理できない場合には、当社の商品と混同しないように区分し、商品に棚卸不要の用紙を貼付し預り品と明記しておくこと。

 

3)棚卸票の確認
配付された棚卸票の枚数とNO.が連番になっているかを確認すること。

 

4)商品受払台帳の整備
商品受払台帳は毎月末日に締切り帳簿残高を算出しておくこと。

 

5)売上および仕入れの締切り
仕入計上基準は検収基準、売上計上基準は出荷基準である場合、現品の入出荷を伴わない仕入れ・売上げはしないこと。

 

 (3) 棚卸実施日

1)緊急入出庫の取扱い
① 棚卸し中やむを得ず入荷した商品は、在庫商品とは区分し、納品書または送り状を添付し棚卸しは行わない。また、仕入計上も行わないこと。
② 棚卸し前に出荷したものは当日の売上とし、棚卸し後に出荷したものは翌月の売上とする。棚卸し前に出荷し売上計上できなかったものは、棚卸票に記入すること。

 

2)実地棚卸の方法
① 棚卸責任者
棚卸票を各在庫場所の棚卸担当者に割り当てる。
② 棚卸担当者

ァ.原則として棚番号の低い順位から順次行う。

ィ.棚卸しは2人一組で行う。
計数者 商品名・品番等と数量を読み上げる。
記入者 読上者が読み上げた商品名・品番等と数量を棚卸票に記入する。

ゥ.棚卸しは上段の左から右へと逆Sの字で行う。

ェ.棚番号が終わるごとに棚卸票を棚番票が貼付された場所に置く。

ォ.すべての棚のカウントが終了したら計数者と立会者を交替し、ダブルチェックを行う。

ヵ.二次チェックは、赤のボールペンでチェック欄にマークをつけていく。

キ.書き損じの棚卸票は、破り捨てずに×を付して保管して置く。

 

 (4) 集計/整理

1)棚卸票の回収

ァ.すべての棚の棚卸しが終了したことをレイアウト図で確認してから棚番号のはじめから棚卸票を順次回収する。

イ.棚卸票の回収が終了した時点で、配付枚数と使用、未使用、書き損じの枚数を照合し、紛失がないかを確認する。

ウ. 棚卸責任者は、記載内容をチェックする。

エ. 訂正のある場合は、棚卸責任者が内容を確認し訂正印を押印する。

 

2)商品受払台帳への記載

    1. ァ.実施棚卸数と帳簿残高とに差異がある場合には、もう一度現品と帳簿を調査し原因を追求する。
    2. イ.過不足の理由が不明の場合は、棚卸責任者の承認を得て過不足数を商品受払台帳に記載し、実際数量に一致させる。
    3. ウ.不良品については、棚卸責任者の指示に基づき廃棄、仕入先への返品等の処理をする。
      〔注〕廃棄の場合は、廃棄商品の写真と廃棄業者の証明を取り付けること。

     

 

次は決算整理の実務解説について見る

 

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