(1) 諸手続をどうするか
まずは、事業を起ち上げるにあたり、法人の設立手続や届出などをどうするか考える必要があります。手続を代行する士業や公的機関もありますが、内容は自分でまとめないといけません。
(2) 資金をどうするか
設立に必要な書類の作成や印紙税など、設立当初に最低限必要となる資金(開業資金)、さらに開業後のマーケティングや販路拡大に必要な期間、定常的な収入を確保できるまでの期間の費用を賄えるだけの資金(運転資金)が必要となります。
自己資金による設立が望ましいですが、足りない場合には親類縁者や日本政策金融公庫のような比較的資金調達しやすい機関に相談するのが一般的です。
(3) 販路開拓をどうするか
販路開拓の計画は早い時期から必要です。会社に勤めていた際に培った技術やアイデアを業務とする場合は、会社員時代の人脈などを使ってあらかじめ顧客候補を確保したり、勤めていた会社の取引先にあらかじめ声をかけておくことなどが有効です。
新しい販路開拓をする場合は、持てる人脈を駆使したり、公的や民間のビジネスマッチングに参加して広げていくことが主となります。
その際には、きっちりとしたビジネスプランとそれを適確に伝えるプレゼンテーションが重要です。
(4) 経営ノウハウをどうするか
事業の中心となる、技術力、商品開発力、営業力などを保有していたとしても、それだけで起業できるわけではありません。事業を運営していくためのさまざまな経営知識も不可欠です。
経営知識としては、会社設立などの「諸手続きの実務能力」、資金繰りや経理処理などの「財務・経理能力」、市場分析などの「マーケティング能力」などが主にあげられます。
これらの経営ノウハウについても、ある程度の知識を頭に入れ、起業時から業務をこなしながら実地で学んだことを身につけていくことが重要となります。
(5) 社員をどうするか
社員を雇えば当然ながら人件費という大きな固定費が発生します。また社員として採用した以上、簡単に解雇することは許されませんし、社員の家族の生活もかかってきます。したがって、一定規模の安定売上が見込めない時期には社員を雇わずに業務を遂行する方法を考えるべきです。
しかし、事業が拡大する過程においては、社員数を拡大することに慎重になりすぎれば、成長のチャンスを失うかもしれず、逆に積極採用したが思ったほど売上が増えず、人件費が経営を大きく圧迫することも考えられます。
これは多くの経営者が会社を成長させていくプロセスで感じるジレンマであり、慎重な検討が必要となる事項です。
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