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給与計算の流れを教えてください。

給与計算業務には、大きく分けて、① 給与支給額から源泉所得税や社会保険料といった控除額を差し引き・支払う給与計算手続と、② 毎年7月に行われる社会保険の定時決定と年度更新といった社会保険手続、③ 毎年12月に1年間に支払われた給与及び源泉徴収した所得税を再計算する年末調整手続からなります。

 

ここで、源泉徴収とは、事業者が、給与・報酬などを支払う際にあらかじめ給与所得者が負担すべき所得税を差し引いて、給与所得者の代わりに納付する制度です。給与計算時には、この所得税の源泉徴収のほか、住民税の特別徴収、社会保険料、雇用保険料もあわせて控除をする必要があります。

 

また、年末調整とは、事業者が支払った1年間の給与・賃金及び源泉徴収した所得税について、毎年の最終の給与支払日に再計算を行い、納税する所得税の過不足額を調整する手続をいいます。
年末調整は、源泉徴収があくまで概算にもとづく計算によるものなので、年間を通した、給与水準の変更や、扶養家族などの前提条件の変更を反映させるために、必要な手続とされています。

 

 

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【記事目次】給与計算の流れ

 

1.給与計算業務の一連の流れ

 

2.年末調整での計算の手順

 

3.給与計算における中小事業者の主な特例

 

4.経理のための『ワンポイントアドバイス』

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給与計算業務
 (1) 給与計算業務の一連の流れ

○ 給与計算手続

① 給与計算・支払
毎月取り決めた一定期日(20日、25日、末日など)に従業員への給与を支払います。
給与の支給にあたっては、基本給などの給与支給額から、控除額(所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)を差し引いて支払います。

② 源泉所得税/住民税の納付
給与等から差し引いた所得税・住民税を、翌月の10日までに税務署に納付します。

③ 健康保険/厚生年金保険料の支払
毎月の給料及び賞与から差し引いた被保険者負担分の保険料を、事業主負担分の保険料と併せて、翌月末日までに、日本年金機構(年金事務所)に納めます

④ 労災保険/雇用保険料の支払
労働保険料(労災保険、雇用保険)を、年度更新時または分割納期限(7月、10月、1月)に、所轄の都道府県労働局又は労働基準監督署に納めます。

 

○ 社会保険手続

① 健康保険/厚生年金保険の定時決定
毎年の7月10日までに、7月1日現在の全ての被保険者に係る被保険者報酬月額算定基礎届を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)へ提出します。

② 労災保険/雇用保険の年度更新
毎年の7月10日までに、労働保険(労災保険、雇用保険)の前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付します。

 

○ 年末調整手続

① 年末調整手続
給与所得者に支払った1年間の給与・賃金及び源泉徴収した所得税について、毎年の最終の給与支払日に再計算を行い、所得税の過不足額を調整します。

② 源泉徴収票の交付
給与所得者に源泉徴収票を交付します。

③ 源泉徴収票・給与支払報告書の提出
源泉徴収票を税務署へ対象年度の翌年1月末日までに提出します。
また、法定調書のほぼ同内容となる給与支払報告書を受給者の住所地の市区町村に提出します

 

 (2) 年末調整での計算の手順

1 その年の1月1日から12月31日までの間に支払うべきことが確定した給与の合計額から給与所得控除後の給与の額を求めます。給与所得控除後の給与の額は、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で求めます。

2 給与所得控除後の給与の額から扶養控除などの所得控除を差し引きます

3 この所得控除を差し引いた金額に、所得税の税率を当てはめて税額を求めます

4 年末調整で住宅借入金等特別控除を行う場合には、この控除額を税額から差し引きます
この控除額を差し引いた税額が、その人が1年間に納めるべき所得税額になります。

5 源泉徴収をした所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税額より多い場合には、その差額の税額を還付します。 逆に、源泉徴収をした所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税額より少ない場合には、その差額の税額を徴収します。

 

 (3) 給与計算における中小事業者の主な特例
項目 適用条件 内容
源泉徴収の免除

個人事業のうち次の二つのいずれかに当てはまる

(1) 常時二人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている

(2) 給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている

源泉徴収義務が免除され、源泉徴収をする必要はありません。
納期の特例制度

次の二つのいずれもみたす
(1) 給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者

(2)「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄税務署に提出

この特例を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月20日が、それぞれ納付期限になります。

 

 

経理のための『ワンポイントアドバイス』

給与計算は、多くの従業員の個人情報を取り扱うこと、また、従業員の直接の収入に関わる計算を行うものなので、ミスが許されない業務であるということが大きな特徴といえます。

 

給与計算業務をスムーズに進めるためのポイントは以下のとおりです。

① 源泉徴収の手続
給与計算に関連して、所得税や住民税など源泉徴収が義務付けられています。この源泉徴収を怠ると、納付期限日から起算した高い延滞金が発生するので、忘れず申告納付することが必要です。

 

② 年末調整の手続
年末調整の手続では、年間の所得税額を確定させるために、あらためて、社員の家族構成や保険の支払状況などを確認する必要があります。 社員全員から扶養控除等申告書や保険料控除申告書など必要資料を収集したり、所得税の過不足額の精算をする必要があるため、かなりの時間と手間が必要となり、十分なスケジュール感覚をもって進めることが重要です。

 

③ 法定調書の提出
法定調書が必要となる支出項目は、細かく分類列挙されていますが、対象となる支出をすべて網羅するのは管理が煩雑です。また、対象となる支出か、判断が難しいことも多々あります。専門家である税理士とよく相談し、提出漏れがないように気をつけることが業務をスムーズに進めるポイントです。

 

④ 給与支払報告書の提出
給与支払報告書は、各受給者の住所地の市区町村に提出する必要があります。従業員数が多い場合や、従業員の住所地が多岐にわたる場合には、紙での提出は、書類の作成や郵送に多くの手間がかかるので、パソコンから各市区町村に直接送信可能な電子申告の利用が業務をスムーズに進めるポイントです。

 

 

次は月次決算の流れについての解説を見る

 

 

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