売掛債権管理は、与信管理、受注・出荷・売上計上業務、債権残高管理、値引・割戻管理からなる業務手続です。
販売業務は商品等を販売しただけでは取引が完了したとは言えず、代金を回収してはじめて完了であり、代金回収が滞りその間現金の不足が生じれば仕入代金や経費の支払にも影響が出ます。
経営の視点からは、販売代金の確実な回収は非常に重要な課題であり、販売代金の回収リスクをコントロールするための業務が売掛債権管理です。
買掛債務管理は、購入・契約、仕入計上、債務残高管理、値引・割戻管理からなる業務手続です。
代金の支払いが滞ると企業の信頼を損ない事業の存続に関わります。
経営の視点からは、買掛債務の管理は重要な課題のひとつであり、資金繰りリスクをコントロールするための業務が買掛債務管理です。
在庫とは、販売することを目的とした、商品、製品、仕掛品、原材料のことです。
在庫が不足すると欠品を起こし販売機会を逃してしまうことになり、多すぎると滞留在庫となって保管費用等のコストの圧迫要因となるほか、売れ残りによる廃棄損等の損失を発生させることもあります。
経営の視点からは、在庫の適切な管理は重要な課題であり、各種の在庫リスクをコントロールするための業務が在庫管理業務です。
固定資産には土地、建物、器具及び備品のように物理的な形態を有する「有形固定資産」、特許権やソフトウェアのように物理的な形態を持たない「無形固定資産」、投資有価証券など長期の金融資産への投資を中心とする「投資その他の資産」があります。
固定資産は、支出額が比較的大きい場合が多いため投資にあたって慎重な検討が求められるほか、支出した年度に一時に費用とするのではなく、耐用年数にわたって減価償却などの手続きによって徐々に費用化していきます。
経営の視点からは、固定資産の管理は、投資の費用対効果を図る重要な業務です。
出納業務は、銀行振込などの入出金業務、小口現金制度を通じた現金管理業務、現金預金の残高管理からなります。
現金預金の管理は、支払手段という性格から不正や誤謬等を招きやすく、現金預金の着服といった不正等の予防に配慮が必要な重要な業務です。
借入金管理は借入契約の締結から借入利息の支払い、借入の返済からなる業務です。
借入金は最も一般的な資金調達方法であり、税務上支払利息が損金算入できたり、手続が簡素な点が特徴ですが、決められた返済期限に従い確実な返済資金を用意せねばならず、資金繰りに関して重要な考慮要素となります。
経営の視点からは、借入金管理は資金繰りリスクをコントロールするための重要な業務です。
年次決算の目的は、株主や投資家等のステークホルダーに対して財務報告を行うことです。
年次決算の最終的なゴールは、各種法令制度に従い、財務諸表等の決算書類を作成し、監査等を経て、取締役会・株主総会等、法的な承認手続きを得ることにあります。
年次決算は、経理部にとって最も重要な業務といえます。
連結決算とは、実質的に支配従属関係にある企業グループを経済的な単一の事業体とみなして、そのグループ全体の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を把握する決算手法です。
連結決算では、個別に作成した親会社及び子会社の財務諸表を合算し、親会社の投資額と子会社の資本金を消去、棚卸資産に含まれる未実現利益の消去、グループ間の債権債務や取引高等の消去等の連結調整作業を行い、最終的に連結財務諸表を作成します。
近年、IR上、企業グループでの業績が重視されるようになり、株主や投資家等のステークホルダーへの情報提供として連結財務諸表の重要性が高くなっています。
経理部にとって、連結決算は年次決算と並び重要な業務といえます。
