独立・起業を決意し、ビジネスモデルや起業の目的を決めても、すぐに事業をはじめることはできません。多くの場合、実際に起業するまでの間に数々の課題や障害、そして起業のリスクに直面します。
細かいことまで取りあげると起業のために検討すべきことは数限りなくありますが、少なくとも、「諸手続」「資金調達」「販路開拓」「経営ノウハウ」「社員の雇用」については検討が必要となります。
独立・起業にあたっては、設立に必要な書類の作成や印紙税など、設立当初に最低限必要となる資金(開業資金)、さらに開業後のマーケティングや販路拡大に必要な期間、定常的な収入を確保できるまでの期間の費用を賄えるだけの資金(運転資金)が必要となります。
どんなに素晴らしい事業計画も、必要資金と調達方法の検討が不十分であれば、事業を立ち上げることはできません。起業を成功させるためには、資金計画と事業計画を一体で考えることがポイントです。
事業計画とは、技術・製品・サービスに関するアイデアを、新しいビジネスに挑戦するための方法、手段、手順を確定し、事業コンセプト、事業環境の分析、マーケティング方法、事業収支計画など、新規事業を推進していくために必要なことを明瞭かつ簡潔に文書化したものです。
起業時の事業計画書は、これから行う事業が本当に成功するのか、いくらぐらい儲かるのかを、出資する人やお金を貸す人、業務提携する人などに理解してもらうために作成します。
個人が新たに事業を開始した場合には、個人事業開始の届出等の書類を税務署、都道府県税事務所・市町村役場へ提出する必要があります。
提出すべき書類の中には、青色申告の承認書のように提出を失念すると、その後の事業に大きな影響を及ぼすものもありますので、必ず忘れないようにしないといけません。
また、家族以外に、従業員を雇用する場合は、社会保険事務所、労働基準監督署、ハローワークへの届出も必要になります。
どんなに小さな事業でも登記等の手続きを踏みさえすれば、法人にすることは出来ますが、個人事業と法人を比較した場合、一般に法人化して事業を展開するほうが社会的信用といった面で優れています。
また、税務的には所得金額が大きくなってくると法人のほうが有利になります。比較的規模が小さな事業で、主として家族が中心になって働くような家内事業であれば、個人事業を選び、そうでないならば、法人により事業を進めるのが一般的です。事業目的や事業方針に従い、個人事業か法人の選択をすべきと考えられます。
株式会社の設立には、株式の全部を発起人が現金で引き受ける「現金出資による発起設立」や発起人以外にも出資を募る「募集設立」や「金銭以外の現物出資も含む設立」があります。いずれの方法によるかによりすべき手続が異なります。
起業時は「現金出資による発起設立」が一般的です。具体的な手続としては、まずはじめに発起人・基本的事項の決定と定款の作成をし、定款を作成後、出資金の払込み・設立登記を完了させることにより、会社を設立することができます。
法人設立後、法人設立の届出等の書類を税務署、都道府県税事務所・市町村役場へ提出する必要があります。
また、従業員を雇用する場合は、社会保険事務所、労働基準監督署、ハローワークへの届出も必要になります。