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マイナンバー業務と社会保険算定

給与の支払いでは、所得税、住民税といった税金と、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料については、企業が給与からあらかじめ天引きして従業員に代わり納付することが法律で定められています。このうち、社会保険料の計算は、従業員の手取り額に関係し、また、従業員の社会保障にも関係する大切な手続なので、正確な算定が重要となります。

 

社会保険料の算定は、年1回7月に、雇用保険・労災保険の計算(年度更新)健康保険・厚生年金保険の計算(定時決定)が行われますが、健康保険・厚生年金保険については、報酬月額に大幅な変動があった場合などは、都度、月額変更届を提出して、保険料の改定(随時改定)をするほか、賞与の支払い時には、都度、賞与支払届を提出して、保険料を追加納付します。

 

※ 本記事は2015年10月の制度開始時点における法令・制度内容に基づき作成しております。
2015年10月以降の改正事項は反映しておりませんので、最新の制度内容については、各省庁が公表する案内資料などをご確認いただきますようお願い申し上げます。

 

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【記事目次】マイナンバー業務と社会保険料算定

 

1.従業員の社会保険料算定の手続

 

2.従業員の社会保険料を算定する場面

 

3.個人番号の記載が必要になる書類

 

4.従業員の社会保険料算定手続の流れ

 

5.マイナンバー対応のワンポイントアドバイス

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マイナンバー業務の基礎解説
 (1) 社会保険料算定手続

≪ 保険料算定 ≫

1.雇用保険・労災保険の計算(年度更新)
毎年6月1日から7月10日までの間に、「労働保険概算・確定保険料申告書」を提出し、新年度の概算保険料を算定・納付するとともに、前年度の確定保険料と概算保険料の差額を精算します。

 

2.健康保険・厚生年金保険の計算(定時決定)
毎年7月10日までに、7月1日現在の全ての被保険者に係る「算定基礎届」を年金事務所に提出し、9月以降の標準報酬月額と給与の保険料額を決定します

 

 

≪ 保険料改定 ≫

3.健康保険・厚生年金保険の計算(随時改定)
報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)がある場合や、産前産後休業、育児休業等終了時には、年金事務所に「月額変動届」を提出し、標準報酬月額の改定と新たな給与の保険料額を決定します。

 

4.健康保険・厚生年金保険の計算(賞与支払)
賞与を支給する際には、年金事務所に「賞与支払届」を提出し、標準賞与額と賞与の保険料額を決定します。

 

 

 (2) 社会保険料を算定する場面

社会保険料の算定・改定が必要になる場面については以下のものがあります。

 

種類
内容
提出書類
労働保険
(雇用保険、
労災保険)
年度更新

毎年6月1日から7月10日までの間に、「労働保険概算・確定保険料申告書」を作成・提出し、新年度の概算保険料を算定・納付するとともに、前年度の確定保険料と概算保険料の差額を精算します。

労働保険概算・
確定保険料申告書
社会保険
(健康保険、
厚生年金保険)
定時決定

毎年7月10日までに、7月1日現在の全ての被保険者に係る「算定基礎届」(全被保険者の3か月間(4~6月)の報酬月額の届出)を提出を行い、9月以降の標準報酬月額と給与の保険料額が決定します。

算定基礎届

随時改定

定時決定の算定月以後に、報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合に、「月額変動届」を提出を行い、標準報酬月額の改定と新たな給与の保険料額が決定します。

また、 産前産後休業終了日や、育児休業等終了日には、報酬月額の変更に関わらず、「月額変更届」を提出を行い、標準報酬月額の改定と新たな給与の保険料額が決定します

月額変更届
賞与支払 賞与を支給する場合に、支給日より5日以内に「賞与支払届」の提出を行い、標準賞与額と賞与の保険料額が決定します。 賞与支払届

 

 (3) 個人番号の記載が必要になる書類

社会保険料の算定に必要な書類で、個人番号の記載が追加されるものは以下のとおりです。

 

提出書類
個人番号
新様式
健康保険組合・
年金事務所に提出

「被保険者標準月額算定基礎届」

被保険者

(70歳以上のみ)

H29.1~
の提出分

「被保険者標準月額変更届」

被保険者

(70歳以上のみ)

「被保険者賞与支払届」

被保険者

(70歳以上のみ)

 

 

 (4) 社会保険料算定の流れ

社会保険料算定に関わる手続の流れをフローにあらわすと以下のとおりです。

(※ こちらは、帳票の流れに着目して作成した簡易的なフローチャートです。業務の分析やマニュアル作成の際は、担当、部署、手順、帳票、承認経路などを盛り込んだ詳細なフローチャートが必要になります。)

 

 

 

 

マイナンバー対応に役立つ『ワンポイントアドバイス』

給与の支払いでは、所得税、住民税といった税金と、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料については、企業が給与からあらかじめ天引きして従業員に代わり納付することが法律で定められています。

 

このうち、社会保険料の算定では、年1回7月に、雇用保険・労災保険の計算(年度更新)と健康保険・厚生年金保険の計算(定時決定)が行われますが、健康保険・厚生年金保険については、報酬月額に大幅な変動があった場合などは、都度、月額変更届を提出して、保険料の改定(随時改定)をするほか、賞与の支払い時には、都度、賞与支払届を提出して、保険料を追加納付します。

 

平成29年1月以降(マイナンバー制度の導入から1年後)は、年金事務所に提出する算定基礎届、月額変更届、賞与支払届に、70歳以上の従業員に限定して、個人番号の記載が求められるようになります。実務上は、個人番号の要否について混乱しやすくなることが予想されるので、業務手順書やチェックリストなどにより、記載漏れが起きないよう注意することが必要です。

 

≫≫ 次は年末調整手続について見る

 

 

 

 

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